晴走雨読

アクセスカウンタ

zoom RSS 『走ル』 羽田圭介

<<   作成日時 : 2008/04/11 21:58   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 2 / コメント 0

自転車をテーマにした小説というのもずいぶん増えてきました。

画像


自転車を扱った青春小説といえば、まずは『自転車少年記』が挙げられるのでしょうが、比較してしまうと、本作はちょっと物足りない感じがします。

物置の中でビアンキを発見し、いきなり整備してしまう主人公。
私は3年ロードバイクに乗っていても、ロクな整備はできないんですが…(それはそれで問題がありますね…)。

彼はそのまま学校をサボって行き当たりばったりに北をめざして走り出す訳なんですが、そこらへんの動機がさっぱりわからない。
若者の衝動なのか、自転車ならではの“どこまでも行けそう”な気持ちなのか?
そういう描写が何にもなくて、本当にただ何となく走っていきます。

走っていても、どうも自転車の楽しさ(あるいはつらさ)が伝わってこない。
読んでいて、ああ、自分もこんな風に走ってみたい、と思えないんですね。
そこが、『自転車少年記』の直江津を目指す場面との違いでしょうか。

せっかく旅をしていながら、その土地土地の風景にもほとんど目をやらず、地名は出てくるんだけど、主人公が目にしている(はずの)風景を共有できないのは残念です。
それでは主人公にどこを走らせても同じになってしまいます。

唯一共感できるのは、走ってきた道を戻りたくないという気持ち。
私も往復コースは好きじゃありません。
グルッと大きく回るコースの方がいい。

結果として彼はひたすら北へ走り続けます。
でも、フェリー乗り場まで行っておきながら、結局北海道には渡らずに帰ってきてしまう。
そこら辺も何とも中途半端な気持ちにさせられます。

突然自転車に乗ってどこかに行ってしまった息子に対して、まったく心配する様子を見せない家族。

携帯メールを通じて友人や恋人と(あくまでも表面的な)つながりを持ち続ける主人公。

それが現代なんだと言われればそうなのかも知れませんが、何か消化不良な感じの残る作品でした。

画像ブログランキングに参加しています。よろしければクリックをお願いします。

走ル
走ル

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
羽田圭介さん『走ル』
高校在学中に『黒冷水』でデビューし、 文藝賞を受賞した羽田圭介さんの最新作『走ル』 ...続きを見る
juri+cari
2008/07/13 22:03
『走ル』羽田圭介 を読んで
走ル (河出書房新社)羽田圭介 青春を感じさせる気持ちのいい自転車ロード小説。 高校2年の「俺」は一人で東京~青森を自転車で走った。 内容紹介 物置で発掘した緑のビアンキ。その自転車で学校に行った僕は、そのまま授業をさぼって北へと走るが……。 「21世紀日本版『オン.. ...続きを見る
そういうのがいいな、わたしは。(読書日記...
2008/10/18 13:03

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『走ル』 羽田圭介 晴走雨読/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる